ドイツにおけるマイスターの社会的地位

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職業教育をより魅力的なものに

学術審議会(WR)はこのほど職業教育と大学教育に関する勧告を行った。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略以下のような報道発表を行った。

Foto: Wikimedia

ヴァンカBMBF大臣は学術審議会が、職業教育と大学教育が同等の価値があると明確に表明したことを歓迎すると語り、「ドイツが将来にわたり革新的 であり続け、繁栄を維持、拡大していくためには、優秀な専門人材を適切に供給できることが重要である。また職業教育と大学教育の間に正しいバランスを保 ち、この二つの有効な教育領域の価値を等しく確保することが中心的課題である」とした。

学術審議会は、若者が職業教育と大学教育のいずれかに進路を決断するために、適切な指針を提供すべきであると勧告した。適切な情報やアドバイス は、学生が自分の関心や能力に合った教育を選択するためのベースとなる。BMBFは勧告を受け、職業教育強化とその大学教育とを融合させる戦略に取り入れ る予定。

連邦政府はここ数年、職業教育の認定に関し重要なイニシアティブをスタートさせた。ひとつは「ドイツ資格枠組」において、マイスター資格を大学 の学士(バチェラー)と同等としたこと。また職業教育で取得した資格を大学のカリキュラムに加算する施策も、職業資格取得者が大学教育課程に容易に進める ようにするものである。

職業教育と大学教育間の流動性は、今後数年の教育政策の最も重要な課題に数えられる。ヴァンカBMBF大臣は「職業教育から大学の課程への転換 をより簡素化し、二元的な教育をより魅力あるものとすることが肝要である」と語った。逆に大学中退者が大学で取得した単位を職業教育訓練の過程で承認する 制度も必要である。

出典: JSTデイリーウォッチャー

マイスター資格と大学学位

Berufliche und akademische Bildung sind gleichwertig

本文:マイスター資格証書に、ドイツ及びEUの資格制度6に相当すると明記されることになった。これに関してドイツ連邦教育研究省(BMBF)は概略以下のような報道発表を行った。

職業教育と大学教育は同等の扱いとなった。学士にあたるバチェラーもドイツ及びEUの資格制度6にあたる。新しいマイスター証書は、今年度ドルトムント手工業会議所マイスター式典の中でヴァンカBMBF大臣から手渡される。

同大臣は、「ドイツ資格制度への明記は教育政策の一里塚ともなるものである。職業教育と大学教育が同等であると認め、ドイツのマイスター資格の高い位置づけを強調するものだからである。マイスター取得者は大卒者の後ろに隠れている必要がなくなったのである」と語った。

これは連邦と州の主導の下、労使双方と経済団体、アカデミアと実業界の専門家たちの継続的協力による長年に及ぶプロセスの中で行われたものである。職業資格はドイツとEU資格制度の1から7に当てはめられる。例えば3年間の第一職業訓練終了はレベル4、学士とマイスターあるいは技術者の終了資格はレベル6に相当する。これによりEU内での教育終了資格は比較が可能になり、EU内の新卒応募や転職が著しく簡素化された。

公開機関:連邦教育研究省(BMBF)

ドイツ製造業界における人材育成への取り組み

ドイツの技能労働者およびエンジニアを育成する制度としては職業学校に通いながらマイスター資格を取得するマイスター制度と専門大学で専門知識を学ぶ道がある。

独機械・整備製造業連盟(VDMA)が2001年実施した調査ではエンジニアが経営幹部や取締役に就いている割合が1998年には59%、2001年には63%と拡大してきている。

ドイツは技術職を育成するシステムとしてマイスター制度を持つ。技術職につくため、生徒は職業訓練校で理論を学ぶと同時に企業で実務訓練を受ける。

このデュアルシステムは企業の負担が多いが、有効な人勢育成制度として企業は高く評価をしている。

出典:社団法人 日本機械工業連合会

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