ワークライフバランスを実際に実現している経済大国ドイツ

ワークライフバランスを実際に実現している経済大国ドイツ。ドイツで研修に入った当プログラムの参加者も7月、8月は多くの人が夏休み(有休)を取っています☆

日本で社会人になると、なかなか2週間以上の休暇を取ることは少ないでしょう。

 

しかし、ドイツでは全く様子が違います。

 

ドイツでは年間の有休が最低24日付与され、年間で全日消化、または定年まで貯めて後に消化することができる仕組みです。

しかも、病気で休む時には、別に有休が付与されます。

 

春休みに1週間、夏休みに2週間、クリスマス休暇に2週間と有休を取るなんてことは、ドイツでは当たり前。

従業員にはもちろんその権利があり、私どもとお付き合いのある会社の社長もよく休みを取られます。

社長が2週間、3週間、休暇で不在ということもよくある話です。

では、何故そのようなことが実現できるのでしょうか。

1つ目は、仕事の進め方が合理的だということです。

部下に様々な権限がおりていることも多く、判断、行動が早く、打ち合わせ時間が短いです。

2つ目に、互いに休むことへの理解があることです。

作業員同士、連携している会社同士、またお客さんの立場になっても、人が休暇を取ることに寛容です。

 

なので、なかなか連絡がとれない人に久しぶりに連絡が取れた時には、いかに休暇が充実していたかという話題から会話が始まります。このドイツの仕振りに、最初はなかなか仕事が進まないと思ったこともありますが、今では人が人の休暇を尊重することは、自分自身が人間らしく生きるためにも大切だと思うようになりましたし、一人当たりの生産性が高いドイツでの仕事の進め方にも慣れ、寧ろ評価し、学ぶ面が多いことに気づきました。

当プログラムに参加している研修生からも、お休みを取って日本に1ヶ月一時帰国する話や、家族が数週間ドイツに遊びに来る話はよく聞きます。

たまに、ドイツに来てからの方が、日本で働いていた時より家族と触れる時間が増えたという話すら聞きます。

休暇中は立地を活かしてスイス、オーストリア、フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、スペインなど、近場の周辺国には数十ユーロで出掛けることができます。

整形靴を学びに来た参加者は、周辺国の靴事情を観に行ったり、パンや製菓、食肉加工や料理人で研修に来た人は、周辺国の食事情を観に行き、食しに行くことができます。それぞれの職種において、周辺国の事情はもちろん興味深いものです。

 

ドイツの有休の取りやすさが有効活用できます。

 

以前、ドイツでマイスターの称号を取得し、日本で活躍されているマイスター兼社長に話を伺った際に、休暇で周辺国を訪ね歩いたことも、今の仕事の引き出しの多さにつながっていて、全てに意味があったと語っていた彼の話を思い出しました。

 

休暇を取ることも、良い仕事をするためには大切なことだと、ドイツに来て実感することが多いです。

 

本当の意味での働き方、生き方を、私たちはドイツからも色々と学ぶことができるように思います。