日本で大工としての経験を長年積んできてこのプログラムに参加しているKojiさん、現在ドイツで職種はZimmerer(木工大工)として、工房と学校のデュアルシステムで研修を受けています。

当初Kojiさんはドイツのケルンでの語学研修が始まって以来、ドイツ語の習得に悩みながらも、力を抜くことなく様々な努力を重ねてきていました。私達のアドバイスにもとても真剣に耳を傾け、ドイツ語が難しいことについて真摯に受け止め、頑張ってこられた姿勢がまさに今、研修先の工房でマイスター始め皆さんの信頼を得ていることにつながっていると感じます。秘書の方からもよく連絡を受けますが、彼がとても研修先で信頼されていてマイスターからの期待が高いと、とても嬉しい報告を受けています。

私達は参加者の方のために、様々な行動の積み重ねと様々な方々との信頼関係とご縁で職場を調整していきます。毎年5万キロ〜6万キロドイツ国内を走り回ります。6万キロは地球1周半程度の距離です。実際に受け入れてもらう研修先にはあらかじめ、うちの参加者が最初のうちはドイツ語で困難があることを伝え、その状況を理解してもらったうえで受け入れが決まる形での交渉をしています。もちろん何かあれば私達がサポートに入ります。研修生とマイスターとの会話が困難なときには、マイスターや秘書の方などから電話がくることもよくあります。そういったサポートがあることについてマイスターや秘書の方々からは「本当に助かる、ありがとう。」と感謝の言葉をいただく機会が多いのも事実ですが、そこでマイスターさんとの信頼関係を築くことができるのもご縁です。また、Kojjiさんのようにダヴィンチに直接感謝のメッセージをくれる参加者の皆さんからの声は、やはりとても嬉しいですし、もちろんやりがいにもつながります。

私たちは志のある若い日本人が将来スペシャリストのプロとして日本だけでなくドイツ、ヨーロッパをはじめとする外国においてもまた日本においても活躍が出来る道を築きたいという思いで事業を運営しています。そして多くのドイツでの関係者との絆を深めながらその機会(橋)を築きます。我々が築いた橋を渡るのはあくまで参加者一人一人です。そのことの意識がとても大切です。その意識があれば逆にどのような困難があってもKojiさんのように一つ一つ丁寧に階段を上っていくことができます。私たちのアドバイスも活きてきます。

Kojiさんは彼がマイスターはじめ皆さんとの信頼関係を築いてきていることをよく感じます。それは私たちとKojiさんとのやりとりにおいても非常によく感じることができます。私たちはKojiさんの研修先の方々から頼られることもありますが、同時にとても感謝されることも含め非常にやりがいを感じます。

そのKojiさんから届いた活動報告には、彼がその道のプロだからこそ持つことができる視点が描かれていてとても興味深いです。さらに彼が目指していること、物事に真摯に取り組む姿勢にも心を打たれます。

彼から届いた報告を下記にご紹介します。彼が日本とドイツを比較して興味を持っている視点はもちろんのこと、ドイツ語のことやその他のことなど真摯に語ってくれている言葉から様々なことを読み取ることができると思います。

ちょうど2018年度の参加者もほぼ決まってきているこの時期、来年いよいよドイツに旅立つ参加者の皆さん、そして再来年以降に目指している方々にとっても彼からの丁寧な活動報告が参考になれば嬉しいです。

以下活動報告です。↓ ↓ ↓

ドイツに来て良かった点、苦労した点

<良かった点>

研修を始めてレンゲリッヒという町に来てみて思ったのが、ここは昔からの伝統的な暮らしの流 れを壊さずにそれを発展させ、そして続けている。という事です。仕事道具からも見て取ることが出来、大工道具も自分のおじいちゃんの時代に使っていた形、素材、同じ物を現行でお店で買 えるし、現場で使っています。例えば折れ尺(伸ばすと2メーターになる木の折りたたみ定規) 日本でも昔は使っていたようです。細かいところの寸法は図れないうえに、折り畳みなので精度 もいまいちです。だがこの曖昧さもよくて、大体の寸法がわかれば良い箇所には重宝します。そ してまっすぐなので線を引く定規代わりにもなるのです。使った事がないと想像だけで否定しがちですが、こうした道具、生活にも触れられるドイツに来れてよかったと感じております。

<苦労した点>

言葉と食べ物です。この二つは慣れるまでどうしようもないと思います。36年間日本に住んでいたのですから。言葉の理解がまだ薄いので(記号で話しているような)人と話してもその人の性格なんかはまだ分からないというのが今苦労している点です。

 

ホームステイや学生寮滞在において良かった点、苦労した点 

<良かった点>

ホームステイ先ではみんな暖かく接して下さり、ドイツの生活習慣にすんなり慣れることが出来ました。

<苦労した点>

自分は英語も出来ないため初めて会った時のコミニケーションが全く取れないというのが苦労した点ですが、時間とともに無くなっていきました。

 

ドイツに来て自分が変わったと思う点

研修を始めてやっとコミニケーションが徐々に取れだした事です。それは自分の好きな専門分野だからこそ自信をもって言える事があるからだと。そう語学も間違っていようが自信をもって話さないと通じない。相手があっての言語だからと最近思いました。

 

語学研修を終え研修に入り、ドイツに来た頃と現在の自分のドイツ語力の変化について

日本では殆どドイツ語の勉強が出来ずに渡独しました。そのためドイツに来たばかりの時は何も話せなく、話したいことがあっても言葉が作れず、まるで36年ぶりに赤ちゃんに戻ったかのような感じでした。言葉に出来ず、泣いて意思を伝えるというのが身に染みて分かりました。

現在(渡独後7か月経過して)働き始めて2か月が経ちますが語学力の変化について、今からこの人は何をしようとしているのか?とか何処に行こうとしているのか?などを仕事の流れからある程度の予想がつくようになり、その上で会話が出来るので、文法は滅茶苦茶なのだが(単語だけを並べて伝えようとする)相手も予想を働かすので何とか会話が成立するという段階です。

赤ちゃんから4歳児ぐらいにはなったような成長は感じます。

 

今受けている研修内容について

一日の流れ

朝は7時から仕事が始まります。今は10月ですが7時はまだ暗く、やっと明るくなってくる時間帯です。工房ではそれぞれその日行く現場で使う材料、道具などを車に積み込みます。現場につくと荷物を降ろし作業が始まります。9時になると朝食休憩があり作ってきたサンドイッチを食べます。作業は続きます、12時になると今度は昼食休憩です。みんな軽めにサンドイッチ1個だけとか、休憩時間も30分と日本に比べると短めです。自分はよく日本で昼食後、昼寝をしていたのでドイツでそれをすると、疲れてるのか?と心配されます。午後の作業は4時15分まで続きます。そして作業を終えると工房に戻り、各自一日の日報(何時間働いたかと作業場所)を書きその日が終わります。

今学んでいること

日本の大工もそうだと思うのですが、一人前の職人に付きその人のサポート(次に使う材料を先回りして置いておく、作業後の片づけなど)職人が手を止めることなく動けるようにサポートすることで、材料を覚え、仕事の流れを覚え、技術を身に着けます。慣れてくると簡単な仕事から任されるようになってくる。といった感じで学んでいます。

 

研修先に入っての感想とこれからの目標

ドイツで大工の研修を始めて驚いたのは材料の良さです。例えば壁の中に入れる断熱材。日本と比べて密度が高く、厚みもあります。材質は木をリサイクルして作ったものです。日本ではグラスウールをいまだに使っており、いつ健康被害が取りざたされるかと感じています。

このような材料一つとってみても日本とドイツには違いがあり、その理由には法律的な事、社会的な事、気候の事、それを実際に体験できるというのがこの研修のメリットだと思います。最近はインターネットで大抵の情報は得られるが、それだけを知識の根拠にする人が多い中でやはり肌身で違い感じる、体験し、五感をもって知識とするという行為をとても貴重に感じています。

これからの目標は一人でも現場に行き作業が出来るようになることです。そのためには社長の指示を100%理解する必要があります。当面の課題はなんといっても語学力です。

 

ダヴィンチのサポートについて

会社との重要なやり取り(ビザの件や、学校の件、保険の件など)をサポートし、トラブルにならないようにして頂けるのが非常に助かっております。本来もっと語学力を磨いて自分でやるべきだが、、これからもよろしくお願いいたします。